この記事では、物品を保管しているが、倉庫業には当たらない場合として、どのようなものがあるか紹介していきます。
倉庫業の定義を確認しておきましょう。
それは次のようなものです。
上記の定義に該当するにもかかわらず、倉庫業ではないとされている事業も存在しています。
上記定義に言うところの「保管」ということを考えてみると、「保管」しているという場合でも、全体として見れば、別の行為であると認められる営業形態であれば、倉庫業とはみなされません。
例えば、いけすによる活魚の保管は、「飼育」と見ることができ、倉庫業には当たりません。
また、動物の遺体安置所は「供養」と認められ、倉庫業と見なされません。
次に、「寄託」ということを考えてみると、例えば貨物自動車運送事業において、保管庫等を有し一時保管を行う場合、これは運送契約に基づき、貨物の一時保管を行っているため、寄託に該当しません。
したがって、当然、倉庫業には当たりません。
また、他の法令で定められ、倉庫業には当たらないとされているものもあります。
例えば銀行法や証券取引法等において銀行や証券会社の付随業務として行われる、有価証券や貴金属等の保管は倉庫業には当たりません。
特定の物品の製造、加工、修理、クリーニング等を提供する営業の場合、その営業の前後で物品の保管する場合も倉庫業には当たりません。
これは例えばクリーニング業において衣服等を預かり、返却まで保管しておくというような状況です。
またタイヤの交換を行う事業の場合、預かった車を保管する場合も倉庫業には当たりません。
これは特定の物品についてサービスを提供した事業者が自ら保管を行う場合に限られます。
また、対価の有無は問われません。
報報酬を得て保管したとしても、倉庫業には当たりません。
人が通常外出時に、携帯する範囲内の物品を保管する場合で、外出中にその携帯を解いて寄託が行なわれるものも倉庫業には当たりません。
これは駅の手荷物預かり所などです。
また、駅の自転車置き場における自転車の保管や、機械式駐車場における自動車の保管等も倉庫業には当たりません。
まとめると次のような業種が倉庫業に該当しないものです。
- いけすによる活魚の保管
- 動物の遺体安置所
- 貨物自動車運送事業による貨物の一時保管
- 金融機関による有価証券や貴金属等の保管
- クリーニング業において衣服等を預かる行為
- タイヤの交換を行う事業の場合の車を預かる行為
- 駐輪場、駐車場での一時保管
以上、運送業に当たらないものを見てきました。
これらには倉庫業の許可は必要ありませんが、事業を行うには別の許可が必要な場合がありますので、注意しなくてはいけません。