【倉庫業】認定トランクルームの認定基準はどのようなものか

この記事では、優良トランクルームとして営業するための、トランクルームの認定を受けるための基準について、その詳細を紹介します。

トランクルームは寄託を受け、個人の物品を保管するための倉庫であり、その顧客については一般の消費者が大半になります。
そのため、消費者保護という考え方により重点を置かれています。

そこで、一定の基準を満たしたトランクルームは、国土交通大臣により優良トランクルームとして認定を受け、「認定マーク」をつけて営業することができるようになるという制度があります。

消費者はそのマークがあるかないかを見れば、より安全で確実な優良トランクルームを選ぶことができるという制度です。

それでは、その優良トランクルームとして認定を受けるための基準を見ていきましょう。

施設設備基準

まずは設備の性能に係る基準です。

保管する物品の種類によって6つの性能について基準が設けられています。
その6つの性能ごとに認定を受けるということになります。
また、複数の性能について同時に認定を受けることも可能です。

定温性能の基準

低温性能とは、トランクルーム内の温度を調整できる性能を指し、保管する物品としては酒類など、温度の変化により変質しやすいものを想定しています
次に示すような基準を満たしていなければいけません。

冷却装置、加熱装置の設置

トランクルーム内の温度を一定の範囲内に保つことのできる冷却装置、加熱装置等を備え、その性能は保管する物品の特性から見て適切な外の温度を維持できなければいけません。

温度計の設置

トランクルーム内の見やすい場所に温度計を設置しなければなりません。
見やすい場所というのはトランクルーム内で見やすいという場合と、事務所等において庫内の温度を集中管理している場合には、事務所内で容易に確認できるという場合も基準を満たしていると取り扱われます。

一類倉庫基準

トランクルームの通帳の倉庫としての基準を満たしていなければいけません。
定温性能の認定を取得しようとするトランクルームは一類倉庫の基準を満たしていなければならないことになっています。

定湿性能の基準

定湿性能とは、トランクルーム内の湿度を調節できる性能を指し、保管する物品としては漆器類など湿度の変化により変質しやすい物品を想定しています。
次に示すような基準を満たしていなければいけません。

除湿機、加湿器等の設置

トランクルーム内の湿度を一定の範囲内に保つことができ、その性能が保管する物品の特性から見て適切な保管湿度に維持できるものでなければなりません。

湿度計の設置

見やすい場所に湿度計が設置されていなければなりません。
見やすい場所とは、温度計と同様です。

一類倉庫基準

定湿性能の認定を取得しようとするトランクルームにおいても一類倉庫基準を満たしていなければなりません。

防塵性能の基準

防塵性能はトランクルーム内の粉塵量を抑制し、除去できる性能を示し、保管する物品は楽器や精密機器その他粉塵により機能が低下する等の粉塵の影響を受けやすい物品が想定されています。
防塵性能について認定を取得するためにも、次に示す基準を満たしていなければいけません。

床に対する措置

床に防塵塗装、その他の防塵措置が講じられていなければいけません。

掃除機等の設置

トランクルーム内の集塵のため、掃除機その他の機器が備え付けられていなければなりません。

塵の付着防止措置

保管物品を直接チリが付着することを防止するための専用保管容器や防塵カバー等を設置供しなければいけません。

一類倉庫基準

防塵性能の認定を取得しようとするトランクルームにおいても、一類倉庫基準を満たしていなければなりません。

防虫性能の基準

防虫性能とは、トランクルーム内の虫の発生を防止できる性能を示し、保管する物品は衣類、毛皮類、その他害の発生しやすい物品の保管を想定しています。

冷却装置等の設置

トランクルーム内の害虫の発生を防ぐため、温度を一定の温度以下に保つことができなければいけません。

除湿機等の設置

トランクルーム内の害虫の発生を防ぐため、湿度を一定の湿度以下に保つことができなければいけません。

防虫剤または薫蒸装置の設置

害虫の発生を防止できるような有効な防虫剤、薫蒸装置が備え付けられていなければいけません。

一類倉庫基準

防虫性能の認定を取得しようとするトランクルームにおいても、一類倉庫基準を満たしていなければなりません。

防磁性能の基準

防磁制度とは、保管物品への磁気の影響を抑制できる性能を指し、保管する物品としては、磁気テープ、フロッピーディスクといった磁気の影響でその機能が低下する物品が想定されています。

防磁性能について認定を取得するためには、次のような基準を満たしていなければなりません。

磁気センサーを設置

磁気を帯びた物品がトランクルーム内に入ることを防止するため、入り口に磁気センサーが設けられていなければなりません。

または、保管物品の磁気の影響を防ぐために、専用の保管容器設置することで磁気センサーに変えることができます。

一類倉庫基準

防磁性能の認定を取得しようとするトランクルームにおいても、一類倉庫基準を満たしていなければなりません。

常温および常湿性能の基準

この性能は保管に際して、温度管理等の特殊な取り扱いをする必要のない物品を保管するために必要な性能を指し、庫内への水の浸透を防ぐ等の基本的な性能を示します。
この場合は一類倉庫の基準を満たしている必要があります。

トランクルーム寄託約款の特約

認定トランクルームにおいては、「標準トランクルーム寄託約款」と同等の内容又はこれよりも消費者に有利な内容を持つトランクルーム寄託約款に基づき行われなければなりません。

「標準トランクルーム寄託約款」とは、国が定めたトランクルームでの営業における事業者が守らなければならない取り決めのことです。

標準トランクルーム寄託約款については、別の記事で紹介しますので、そちらをご確認ください。

営業の基準

影響の基準として、次の三つの項目が設定されています。

利用者からの相談窓口

トランクルームの利用者に対し、利用に関する相談や苦情処理等を受け付ける組織を指します。
少なくとも各営業所ごとに設置されていなければいけません。
また相談窓口は、設置されている場所、電話番号等の連絡先、受付時間等を消費者に明示しなければいけません

必要な知識及び能力を有する者

それぞれの相談窓口に最低1人は、必要な知識及び能力を有する者が配置されていなければなりません。

必要な知識及び能力を有する者とは、トランクルームにおける保管及び荷役業務に精通していると共に、倉庫業法、消費者契約法といった関係法令および標準トランクルームティア寄託約款についての知識を有するもので、利用者からの相談や苦情に対して適切に対応することもできるものを指します。難しそうですね。

消費者の利益の保護を図るものとして不適当であると認められないこと

これは例えば営業が暴力団関係者によるものなどが当てはまります。

 

以上がトランクルームの認定を受ける基準の詳細でした。