【民泊届出】民泊を始める前に消防法の規制について知っておきましょう

この記事では、消防法において知っておかなければならないことや消防関係の各種届出等について紹介します。

民泊を行う場合の宿泊室の床面積や家主(住宅宿泊事業者)の居住の有無により火災時の危険性が異なると考えられ、消防法上における規制、対応が変わってきます。

民泊を行なう場合の住宅は、消防法の対応として次の6種類に分類できます。

  1. 一戸建て&家主不在
  2. 一戸建て&家主不在とならない&50平方メートル超
  3. 一戸建て&家主不在とならない&50平方メートル以下
  4. 共同住宅&家主不在
  5. 共同住宅&家主不在とならない&50平方メートル超
  6. 共同住宅&家主不在とならない&50平方メートル以下

それぞれ次のような対応になります。

  • 1,2,4,5→宿泊施設 (5)項イ
  • 3,6→一般住宅
※50平方メートル について
この面積は宿泊室の面積を示します。宿泊室の面積とは、宿泊用の就寝の用に供する部屋の床面積の合計のことです。寝室として使用しないのであれば、リビング等は含みません。

4,5の共同住宅の場合には、民泊を行う住戸のある建物の棟の用途の別として、次の三つに分類されます。

  • 9割以上の住戸が宿泊施設→宿泊施設 (5)項イ
  • 9割未満の中古が宿泊施設→複合用途 (16)項イ
  • 全ての住戸が一般住宅扱い→共同住宅 (5)項ロ
(5)項イとか、(16)項イは、住宅の消防法上の用途の分類を示したもので、消防法施行令に定められています。
・(5)項イ:旅館、ホテル、宿泊所その他これらに準ずるもの
・(5)項ロ:寄宿舎、下宿又は共同住宅
・(16)項イ:複合用途防火対象物のうち、その一部が一定の防火対象物の用途に供されているもの

それぞれに対応した消防法による規制は次のようになります。

一般住宅

  • 住宅用火災警報器
    寝室等に設置

共同住宅 (5)項ロ

  • 消火器
    延べ面積150平方メートル以上のもの、地階、無窓階、三階以上の階で床面積が50平方メートル以上である場合設置
  • 自動火災報知設備
    延べ面積500平方メートル以上である場合設置
  • 住宅用火災警報器
    自動火災報知設備があれば不要
  • 誘導灯
    地階、無窓階、11階以上の階に設置
  • スプリンクラー設備
    11階以上の階に設置
  • 消防用設備等の点検報告
    点検が年2回、報告が3年に1回が必要
  • 防火管理
    建物の収容人員が50人以上のものに必要
  • 防炎物品の使用
    高さ31メートルを超えるものに必要

宿泊施設 (5)項イ

  • 消火器
    延べ面積150平方メートル以上のもの、地階、無窓階、三階以上の階で床面積が50平方メートル以上のもの
  • 自動火災報知設備
    全てのもの
  • 住宅用火災警報器
    自動火災報知設備があるので不要
  • 誘導灯
    全てのもの
  • スプリンクラー設備
    11階以上の階、延面積6000平方メートル以上のもの
  • 消防用設備等の点検報告
    点検が年2回、報告が年1回
  • 防火管理
    建物の収容人員が30人以上のもの
  • 防炎物品の使用
    全てのもの

複合施設(16)項イ

  • 消火器
    延べ面積150平方メートル以上のもの、地階、無窓階、三階以上の階で床面積が50平方メートル以上のもの
  • 自動火災報知設備
    延べ面積300平方メートル未満のもの
  • 住宅用火災警報器
    自動火災報知設備があれば不要
  • 誘導灯
    全てのもの
  • スプリンクラー設備
    11階以上の階、宿泊施設が6000平方メートル以上のもの
  • 消防用設備等の点検報告
    点検が年2回、報告が年1回
  • 防火管理
    建物の収容人員が30人以上のもの
  • 防炎物品の使用
    高さ31メートルを超えるもの、宿泊施設の部分

 

以下、重要なことです。

民泊の届出の時に消防法令適合通知書を合わせて提出しなければなりません。
管轄の消防署にて所定の様式により交付申請を行い、立会検査等が実施され、消防法令に適合していると認められれば、消防法令適合通知書が交付されます。
これがないと届出が受理されない可能性があります。

とにかく民泊を行う前、計画時に専門家や消防署に相談することが成功への近道だと思います。