【民泊届出】民泊における住宅宿泊管理業とは

この記事では、民泊における管理業、すなわち住宅宿泊管理業について、その詳細を紹介します。

民泊業は法律上正確には住宅宿泊事業といい、その管理業のことを住宅宿泊管理業と言います。
以降、民泊業、管理業ということにします。

管理業とは、民泊業者から委託を受けて、報酬を得て民泊の管理業務を行う事業をいい、国土交通大臣の登録を受けなければ営業することはできません
管理業の具体的な業務は次に示すようなもので、民泊業者が行わなければいけない業務を代行するので、基本的には民泊業者の行う業務と同じ内容です。

  • 宿泊者の衛生の確保に関する業務
  • 宿泊者の安全の確保に関する業務
  • 外国人宿泊者への配慮に関する業務
  • 宿泊者名簿の備え付け、管理に関する業務
  • 宿泊者に対する必要事項の説明に関する業務
  • 苦情対応に関する業務

上の6つの項目に加えて次のような業務もあります。

  • 民泊事業の適切な実施のために必要な届出住宅の維持保全に関する業務

最後の業務の意味は、民泊というのは、人が居住し、日常生活を営む空間に人を宿泊させるものであり、その適切な実施のために必要な届出住宅の維持保全として、日常生活を営むために必要な機能を維持するための業務である、ということです。

具体的には台所浴室、便所、洗面設備が正常に機能することは当然、人が日常生活を営む上で、最低限必要なライフラインやドア、サッシ等の設備が正常に機能するよう保全しなければなりません。
また使っていない時の施錠の確保や鍵の管理も維持保全に含まれます。

また、事業性の有無の判断としては反復継続性のいかんは問われません。
即ち、1回限りとして管理業者として民泊業者から委託を受けた場合でも、事業性が認められます。
したがって1回限りであっても国土交通大臣の登録を受けなければなりません

なお、報酬を得ずに管理業務を行う場合は管理業には該当しません。
ここで報酬とは金銭に限られず、金銭以外の形で実質的に対価を得た場合にも報酬を得たと判断され、民泊の管理業と判断されます。

民泊の管理業に該当しないのは、次のような場合です。

  • 民泊業者から委託を受けた管理業者から再委託を受けて管理業務の1部の事実行為を行う場合には、民泊の管理業には該当しません。
  • 民泊業者が届出住宅に不在とならない場合など、管理業務の委託が必要とならない場合に、届出住宅の清掃等の管理業務の1部を民泊業者の責任の下において、他他者に委託する場合には、その委託されたものは民泊の管理業者には該当しません。

民泊業においては、一定の条件下では、管理業者へ委託しなければならないという規定もあり、注意が必要です。