この記事では、民泊を行うための届出の方法とその内容について紹介します。
まずは、届出の方法についてです。
民泊届出の方法
民泊の届出を行う方法は、次の三つの方法があります。
- 民泊制度運営システム入力による届出
- 民泊制度運用システム入力+紙提出
- 全て紙で提出
それぞれ順番に内容を見ていきましょう。
民泊制度運営システム入力による届出
全てをシステムへの入力で行う電子申請・届出です。
このシステムには電子署名が必要です。
電子署名を利用するためには、個人での届出の場合、電子証明書が記録されたマイナンバーカードとコンピューターやカードリーダー、ライターなどの機材が必要です。
電子署名を頻繁に利用することのない個人では、ちょっと敷居が高いかもしれません。
法人で届け出る場合には、PDF形式で書類を作成し、アクロバット等で、電子署名を付与します。
事前に登記所へ申請し、電子証明書を取得しなければいけません。取得期間に応じて手数料が必要となります。
民泊制度運用システム入力+紙提出
システムに届出事項のみ入力し、印刷、押印した届出書を含んだ、提出書類の原本一式を郵送または窓口で提出する方法です。
全て紙で提出
届出書及び提出書類の原本一式を郵送、または窓口へ提出する方法です。
届出様式については民泊制度ポータルサイトよりダウンロードできます。
広島県では、「2.届出事項はネット入力、書類は窓口に郵送」を勧めています。
民泊制度運営システムを利用せずに届けて行った場合も届け出後、民泊制度運用システムを利用できます。
このシステムを利用して、定期報告等を行うことになります。
申し込み方法はまた別の記事で紹介します。
次に民泊届出の内容について紹介します。
民泊届出の内容について
民泊の届出をする場合に、届出書に記入が必要な事項が定められています。
届出をする単位ですが、法律に規定されているのは、住宅宿泊事業を営もうとする住宅ごとに届出をしなければならないことになっています。
これの意味は、台所浴室、便所、洗面設備が設けられている単位が最小単位とされています。
また届出書は日本語で作成しなければいけません。
正しい名称、住所、冬の固有名詞については外国語で記載しても構いません。
届出書に記入が必要な事項として定められているのは、次のとおりとなっています。
- 商号、名称又は氏名及び住所
- 法人の場合、役員の氏名
ここで役員とは、次のものを言います。
・株式会社においては、取締役、執行役、会計参与及び監査役
・合名会社、合資会社及び合同会社においては、定款を持って業務を執行する社員を定めた場合は、当該社員。その他の場合は総社員
・財団法人および社団法人においては、理事及び監事
・特殊法人等においては、総裁、理事長、副総裁、副理事長、専務理事、理事、幹事等法令により役員として定められているもの - 未成年者の場合、法定代理人の氏名及び住所
法定代理人が法人の場合は、商号または名称および住所、役員の氏名 - 民泊を行う住宅の所在地
届け出住宅を明確にするため、建物アパート名および部屋番号も記載しなければなりません。 - 営業所または事務所を設ける場合はその名称及び所在地
- 委託をする場合は、住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名、登録年月日、登録番号、管理受託契約の内容
管理受託契約の締結に際して、住宅宿泊管理業者から住宅宿泊事業者に交付される書面に記載されている事項を届けなければなりません。 - 個人の場合、生年月日及び性別
- 法人の場合、役員の生年月日及び性別
- 未成年の場合は法定代理人の生年月日及び性別
- 法人の場合、法人番号
- 住宅宿泊管理業者の場合は登録年月日及び登録番号
- 連絡先
- 住宅の不動産番号
住宅を登記しているにも関わらず、不動産番号が付与されていない場合は、地番と家屋番号により不動産が特定できる場合においては、不動産番号の記載を省略できます。 - 住宅宿泊事業法施行規則第2条に掲げる家屋の別
- 一戸建ての住宅、長屋、共同住宅、または寄宿舎の別
- 住宅の規模
次の3種類の面積を記載します。
・居室の面積
宿泊者が占有する面積です。台所浴室、便所、洗面所、廊下押入れ床の間などは含みません。
・宿泊室の面積
宿泊者が就寝するために使用する部屋の面積です。
・宿泊者の使用に供する部分(宿泊室を除く)の面積
宿泊者の占有か、住宅宿泊事業者との共有かを問わず宿泊者が使用する部分の面積であり、宿泊室の面積を除いた面積を表します。
台所、浴室、便所、洗面所、押し入れ、床の間、廊下を含みます。 - 住宅に人を宿泊させる間、不在とならない場合、はその旨
宿泊する人がいる間、民泊事業者が届け出住宅内に居住しているかどうかです。
これは宿泊者の安全措置の設置のために求められているものです。
したがって、不在になる場合には、非常用照明器具の設置や火災等の災害発生時の安全確保のための措置を講じる必要があります。 - 賃借人の場合は賃貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾している旨
賃借人には賃借人の親族が賃貸人である場合の賃借人も含まれます。 - 転借人の場合は賃貸人と転貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾しているの旨
転借人には転借人の親族が転貸人である場合の転借人も含まれます。 - 潜る所有の建物の場合、管理規約に禁止する旨の定めがないこと
管理規約に住宅宿泊事業について定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がない旨
非常に多くの項目があるので、慣れていないと大変かもしれません。