この記事では、一般貨物自動車運送事業において、事業用自動車の数を変更する時の手続きについて紹介します。
事業用自動車の数の変更には、その変更内容によって次のような2種類の手続きが存在します。
- 事前届出
- 認可申請
事前届出の場合は、届出書類に不備がなければ提出すれば手続きは完了します。
繁忙期でなければ当日、連絡書を発行してもらえると思います。
認可申請の場合は、各種要件が適合しているか、運輸局の方で確認作業が必要になりますので、いくらかの時間がかかります。(1週間から1ヶ月)
それでは、どのような場合に、認可申請が必要となるのでしょうか。
次のような場合には、許可申請が必要になります。
- 変更後の車両数が最低車両台数を満たさないこととなる場合
- 法令順守が十分でないおそれがある者が行う場合
- 当該営業所の車両数が申請日3カ月前時点から30%以上増加することとなる場合(当該3ヶ月間で増加する車両数が10両以下の場合を除く)
逆に言えば、上の3つに該当しない場合は、届出申請で良いということになります。
2の法令順守が十分でない恐れがあるものとは、次のような場合です。
- 過去5年間の間に一般貨物自動車運送業の許可の取り消しを受けている
- 変更に係る営業所で行政処分の累積違反点数が12点以上ある
- 営業所で過去1年間に巡回指導による総合評価が「E」だった
また1の「最低車両台数を満たさない」ということになれば、許可が取り消されるのではないかと思われるかもしれませんが、一概にそうとは限りません。
各営業所に置ける最低車両台数は5台ですが、これが満たさなくなるいというのはどういう場合でしょうか。
事業を縮小するというのであれば、複数の営業所を統廃合することになるでしょう。
そうでなければ、例えば災害等が考えられます。
災害により車両が使用不能となったとき、最低車両台数を満たさないので、許可を取り消すというのはあんまりです。
したがって、災害が理由の場合で、これに代わる他の車両が確保されるまで時間がかかる場合には認めらてます。
また、巡回指導の評価が「E」だった場合は、改善した結果を示すか、または改善計画を示し、運輸局を納得させるしかありません。
次に事前届出の場合の注意点としては次のようなものがあります。
- 事業用自動車の増加に伴い、車庫の収容能力を増加させる必要がある場合には、事業計画変更の手続きが終了していなければいけません。
- 必要な運転手、運行管理者及び整備管理者確保され、事業の計画変更の手続きが必要な場合は、手続きが終了していなければいけません。
- 自社営業所間における車両の融通であっても、それぞれの営業所における車両数の変更の手続きが必要です。
- 自社営業所間における車両に融通は短期間のものであっても手続きが必要です。
続いて、変更時に提出する必要な書類を見ていきましょう。
必要な書類は次の通りです。
- 変更事前届出書(変更認可申請書)
- 別紙1 新旧対照表および明細
- 別紙2 車庫の明細
- 別紙3 宣誓書
(増車を行う営業所がある場合のみ添付してください。減車のみの場合は不要です) - 別紙4 宣誓書
(認可により増車を申請する場合にのみ添付します。法人用と個人用で異なります)
届出書と別紙1から3は共通で、認可申請の場合は別紙4を追加することになります。
別紙1は、営業所4カ所まで、変更する自動車の数10台までの記載となっておりますので、それ以上の場合は用紙を追加する必要があります。
別紙2は、営業所ごとの記載になっていますので、変更する営業所が複数ある場合は用紙を追加する必要があります。
別紙3の宣誓書には、4項目について、「はい」または「いいえ」を答える形式になっており、いずれか一つでも「はい」がある場合は届出ではなく認可申請が必要になります。
別紙4の宣誓書は認可申請の場合のみです。
この書類には役員全員の押印が必要です。また、役職欄には登記上の役職名を記入するようにしてください。
以上が、自動車の数を変更する場合の手続きに必要な書類についての紹介でした。