この記事では、一般貨物自動車運送事業の経営許可申請書である事業計画の記入方法について紹介します。
事業計画はA4一枚の表にまとめられた、一見簡単なものに見えますが、実際に事業を進める上では大変重要なものです。
許可申請においては、事業計画に書かれた内容を証明するために添付書類を準備するわけですが、それだけにとどまらず、許可を受けた後に、その内容を巡回指導により確認されます。
計画と実際が異なっていると、許可を取り消される場合があります。
許可を受けるための単なる書類と考えないで、事業を成功させるための計画であると十分認識しておいた方がいいでしょう。
事業計画の記入の方法について紹介していきます。記入例を挙げておきますので参考にしてください。
事業種別
計画している事業内容に沿って該当の項目に〇印をしてください。
- 霊きゅう : 霊きゅう運送を行う場合
- 一般廃棄物 : 一般廃棄物の運送を行う場合
- 島しょ : 営業所を島しょのみに設置する場合
- 一般 : 上記以外の場合
なお一般廃棄物の場合は、一般廃棄物の収集運搬に関する許可証又は業務委託契約書の写しなど参考となる資料を添付しなければいけません。
貨物自動車利用運送
「する」・「しない」のどちらかに丸印をしてください。
主たる事務所
主たる事務所の位置は法人の場合、登記上の本店所在地と同一である必要はありません。
また、個人にあっては、住民票証の住所と同一である必要はありません。
営業所
営業活動、運送の安全を確保するための運行管理の拠点です。
営業所が1箇所であれば、名称は本社、個人の場合は本店などと記入することになります。
営業所は二箇所以上ある場合、事業計画はその営業所ごとに作成しなければいけません。
休憩、睡眠施設
原則として営業所または車庫に併設することが必要です。
収容能力は小数点以下第2位まで記入してください。第3位は切り捨てにしてください。
用途に応じて「休憩」「睡眠」「休憩睡眠」のいずれかに〇をしてください。
自動車車庫
原則として営業所に併設することが必要です。併設できない場合は、営業所と車庫の距離は直線距離で5キロメートル以内に設置しなくてはいけません。
計画する事業用自動車のすべてが収容できなければなりません。収容能力は区画ごとに分けて、小数点以下第2位まで記入してください。第3位は切り捨ててください。
計画車両1台あたりの必要面積の目安は次の通りです。
- 普通38平方メートル
- 小型11平方メートル
- けん引27平方メートル
- 被けん引36平方メートル
道路幅員は車両制限令に適合する必要があります。車庫洗面道路については道路幅員証明書を下に車道幅員を記入してください。
幅員が不足している場合は、道路管理者から通行可能であるかどうかの意見を付してください。
事業用自動車の種別及び種別ごとの数
種別とは、普通自動車または霊きゅう自動車の区別のことを言います。霊きゅうの申請以外は普通自動車の欄に数を記入してください。
普通自動車で計画車両にけん引車と被けん引車を含む場合の最低車両台数の算定方法は、けん引車一両と被けん引車一両の一対を一両として算定してください。
車両の大きさ構造等は輸送する貨物に対して適切なものでなければなりません
計画車両の自動車検査証の写しを提出しなければなりません。
なお、車両の使用権限については自動車検査証に記載されている所有者であることが必要です。
または、所有者が異なる場合は、その所有者から使用が認められていることが確認できるものがあれば、その書類を提出してください。
以上が事業計画の記入方法です。
この事業計画は運送業のいわゆるハード、設備に関する計画を書き記したものです。
これから行おうとしている事業の内容や希望を鑑み、それに適合した計画が必要になってくると思われます。