【運送業】一般貨物自動車運送事業の許可要件~物的要件について

一般貨物自動車運送事業(以下、運送業)の許可要件の一つである「物的要件」についての詳細を紹介します。

物的要件は次の4つに分けて紹介します。

  1. 営業所
  2. 休憩所
  3. 車庫(出入口前の道路)
  4. 車両

それでは、それぞれ順番に詳細を紹介していきます。

1営業所

運送業の許可を受けるためには、営業所には次の4項目が要求されます。

・使用権限を有すること

自己所有の場合は、登記簿謄本が必要です。

借入の場合は契約期間が2年以上の賃貸者契約書の添付または提示が必要です。

契約期間が2年に満たない場合は、契約が満了時に自動的に更新される場合に限り、使用権限を有するものとみなされます。

・都市計画法等関係法令の規定に抵触しないこと

都市計画法の照会については、広島県の都市計画課に確認し、相談しながら進める方がいいでしょう。
農地法や建築基準法等、他の法令についても当選抵触していない旨の宣誓書の提出が求められます。

・規模が適切なものであること

従業員数や事業の規模に応じた広さが必要です。

・必要な備品を備えているなど、事業遂行上、適切なものであること(令和元年に追加)

営業所に必要な備品等が備えられていることが確認できるような写真の添付をもって確認されます。
必要十分で分かりやすい写真を撮るようにしましょう。

許可申請時にまだ備品が全て揃っていない場合には、事情を説明することで、事後的に必要な備品が備えられていることが確認できる写真の提出することで認められる可能性があります。

2休憩所

休憩所の主な要件は営業所と同じです。
加えて、休憩所は営業所もしくは車庫に併設する必要があります。
営業所と併設する場合には休憩所と営業所の間は明確に区切られておかなければいけません。

また、運転手が帰宅すると8時間以上の休息時間が得られないような場合には、休憩所に睡眠施設を設置しなければいけません。

休憩所には広さの規定はありませんが、睡眠施設には1人当たり2.5平方メートルの広さが必要です。
営業所と同様に要件を満たしているか、写真を撮って提出する必要があります。

3車庫

原則として営業所に併設するものである必要がありますが、併設できない場合には、直線距離で五km以内であることがまとめられます。(広島県の場合)

また併設できない場合は、運行管理者または補助者の派遣、もしくは電話等で常時密接に連絡を取る体制が整備され、点呼が確実に実施されるものでなければなりません。

車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ計画車両数すべてを収容できるものでなければいけません。
また、他の用途に使用される部分と明確に区画されていなければなりません。

この件に関しても、確認できる写真を申請時に提出しなければなりません。
許可申請時に車庫として整備が完了していない特段の事情があると認められた場合は、事後的に写真を提出をすることになります。
事前によく相談しましょう。

車庫の出入口の前面道路については、原則として幅員証明書で確認することになります。
ただし、国道に面していると明らかに通行可能であるという場合には、添付の必要はありません。

最後に使用権限や都市計画法等関連法令の規定に関する件については、営業所と同様です。

4車両

車両については、最低車両台数が規定されています。
営業所ごとに配置する事業用自動車の数は種別ごとに五両以上が必要です。
それを満たさない場合は、特別な場合を除いて許可を受けることはできません。

計画する事業用自動車にけん引車と被けん引車を含む場合は、車両数はけん引車プラス被けん引車を1台として計算します。

霊柩運送、一般廃棄物運送、一般的に需要の少ないと認められる、島しょの地域における運送業については、5台以上という規定は適用されません。5台以下でも大丈夫です。

当然のことながら、使用権限を有することが必要です。
リース車両については、契約期間は1年以上であることが必要です。

以上が運送業の許可要件における物的要件です。
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