この記事では、民泊業を営む上での義務の一つである宿泊者名簿の備え付けの義務について紹介します。
民泊事業者は宿泊者の氏名、住所、職業等を記載した宿泊者名簿を作成し、備え付けておかなければならない義務が次のように法律で定められています。
住宅宿泊事業法第八条
住宅宿泊事業者は、国土交通省令、厚生労働省令で定めるところにより届出住宅その他の国土交通省令、厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の国土交通省令、厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があった時はこれを提出しなければならない。
宿泊者名簿に明確に記載するために、宿泊の前に、宿泊者それぞれについて本人確認を行わなければなりません。
本人確認の方法としては、対面での確認が原則ですが、対面と同等の手段としてインターネットを利用した方法などで行うこともできます。
ただし、インターネットを利用した本人確認の方法としては、次のようなことが必要です。
- 宿泊者の顔及びパスポートが画像により鮮明に確認できること。
- 画像が民泊業者や管理業者の営業所等、届出住宅内又は届出住宅の近傍から発信されていることが確認できること。
これは届出住宅に備え付けられたタブレット端末などを利用する方法が考えられます。
民泊業者は次のようなことを留意して、名簿を作成しなくてくなりません。
- 宿泊者に対し、宿泊者名簿の正確な記載を働きかけること。
- 外国人宿泊者に関しては、国籍及びパスポート番号欄への記載を徹底しなければなりません。
また、パスポートの写しを、宿泊者名簿とともに保存しなければなりません。 - 宿泊者がパスポートの提示を拒否する場合は、当該措置が国の指導によるものであることを説明しなければなりません。
さらに宿泊者がパスポートの拒否する場合にはパスポート不携帯の可能性がある者として、警察に連絡する等、適切な対応を取らなければいけません。 - 警察官から、宿泊者名簿の閲覧請求が上がった場合は、必要な範囲で協力をしなければなりません。
この場合、本人の同意を得る必要はないとされています。
その他留意事項として、宿泊者名簿には宿泊者全員を記載する必要があります。
代表者のみの記載は認められません。
また宿泊グループごとに宿泊者が分かるように分けて記載するようにしなければなりません。
長期滞在者には本人確認を行っていない者が宿泊することがないよう、不審なものが滞在していないか、又は滞在者が所在不明になっていないか等を確認することが望ましいとされています。
特に宿泊契約が7日以上の場合には、定期的に面会をするなどして確認を行う必要があります。
宿泊者名簿の備え付けを怠ると罰則として30万円以下の罰金が科せられます。
まずは、しっかりとルールを把握することが重要です。