この記事では、許可を受けた産業廃棄物処理業者に課せられる義務について紹介します。
産業廃棄物処理業は許可を取得した者だけが、事業を営むことができるわけですが、その反面、権利を得たものは義務を負わなければいけません。
産業廃棄物処理業者の義務は、次のようなものです。
- 処理基準の遵守
- 処理困難通知
- 受託の禁止
- 委託及び再委託基準の遵守
- マニフェストの適切な利用
- 名義貸しの禁止
- 帳簿の記載と保存
- 事業の廃止等に伴う通知
それぞれの中身について、少々詳しく紹介します。
1.処理基準の遵守
産業廃棄物処理業者は、廃棄物処理法第14条第12項、第14条の4第12項に従わなければなりません。
この内容は膨大なものになるので、別の記事で分けて紹介します。
2.処理困難通知
産廃廃棄物処理業者は委託は受けた産業廃棄物の収集・運搬又は処理を適正に行うことが困難またはその恐れがあるときは委託者に通知しなければなりません。
通知した時は産業廃棄物処理業者は、その写しを5年間保存しなければなりません。
3.受託の禁止
産業廃棄物収集運搬業者以外のものは産業廃棄物の収集・運搬を受託してはいけません。
産業廃棄物処理業者以外のものは産業廃棄物の処理を受託してはいけません。
4.委託及び再委託基準の遵守
産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集運搬を他人に委託してはいけません。
また、産業廃棄物処理業者は産業廃棄物の処理を他人に委託してはいけません。
ただし、政令で定める再委託に係る基準に従って行う場合、また法に基づき命令を受けたものが必要な範囲で、必要な範囲で処理を委託したものの承諾を得た場合に限り、他人に委託を受けすることができます。
再委託に係る基準は別の記事で紹介します。
5.マニフェストの適切な利用
産業廃棄物の引渡しを受ける際は、排出業者からマニフェストの交付を受け、処理後はマニフェストの写しを排出事業者に送付して適当に適正に処理をしたことを報告しなければなりません。
6.名義貸しの禁止
産業廃棄物処理業者は自己の名義を持って、他人に産業廃棄物収集運・搬又は処分を業として行わせてはいけません。
7.帳簿の記載と保存
産業廃棄物処理業者は処理した産業廃棄物の種類、量等をそれぞれの項目の記載期限までに帳簿に記載し、1年ごとに取りまとめ、5年間保存しなければなりません
産業廃棄物処理業者の帳簿記載事項については別の記事で紹介しますのでそちらもご確認ください。
8.事業の廃止等に伴う通知
産業廃棄物処理業の全部、または一部を廃止したものであって当該事業に係る産業廃棄物の処理を終了していないもの
産業廃棄物の許可を取り消されたもので、当該許可に係る産業廃棄物の処理を終了していないもの
は、10日以内にその旨を委託者に書面で通知しなければなりません。
通知をした時は、その写しを5年間保存しなければなりません。