【産廃業】産業廃棄物収集運搬業許可をうけるための基準について

この記事では、産業廃棄物収集運搬業許可を受けるために定められた基準について、その詳細を紹介します。

産業廃棄物収集運搬業の許可を受ける時には、事業を的確にかつ継続して行うに足りるものとして、省令で定める次のような許可基準に適合する必要があります。

  • 施設に係る基準
  • 能力に係る基準
  • 欠格要件

それでは順番に詳細を見ていきましょう。

産業廃棄物収集運搬施設に係る基準

ここでいう施設とは、廃棄物の収集・運搬に使用する車両も含まれており、その基準は次のようなものです。

  1. 産業廃棄物が飛散、流出したり、悪臭が漏れたりする恐れのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること。
  2. 積替施設・保管施設を有する場合は、産業廃棄物が飛散・流出したり、地下に浸透したり、また悪臭が発生したりしないように必要な措置を講じた施設であること。

その廃棄物は答えなのか、液体なのか、腐食性はないのか、廃棄物の性質を十分理解し、容器や施設を準備しなければいけないことがわかります。

特に積替え施設・保管施設については、生活環境に影響がないことを周辺住民に理解していただくために、説明会の開催等の必要性も生じてくる場合もあります。

能力に係る基準

能力に係る基準とは、次の3つが挙げられます。

  1. 講習会を受講していること
  2. 経理的基礎を有していること
  3. 適切な事業計画を整えていること

順番に内容を見ていきましょう。

講習会を受講していること

許可を受けるためには、産業廃棄物処理業に関する新規許可講習会(収集運搬課程)を修了している必要があります。
講習会を受講しなければならない方は、原則として法人の場合は役員、個人の場合は本人が受講しなければなりません。

講習会の実施機関は下記通りです。

公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター
〒102-0084
東京都千代田区2番町3番町麹町スクエア七階
Tel 03-5275-7115
Fax 03-5275-7116
URL :http://www.jwnet.or.jp

受講申し込み先は広島県の場合は次の通りです。

一般社団法人広島県市電循環協会
〒730-0052
広島市中区千田町三丁目7番47号 広島県情報プラザ4F
Tel 082-247-8499
Fax 082-247-9729
URL :http://www.hshigen.or.jp/pages/index.html

講習会の収集・運搬過程は、2日間にわたって開催され、受講料は30,400円で、内容は次のとおりです。

  • 1日目:行政概論、業務管理
  • 2日目:環境概論、安全衛生管理、収集・運搬、修了試験

特別管理産業廃棄物収集運搬業の場合は、講習期間が3日、講習料は46,200円となっています。

この修了証が許可申請に必要になりますが、許可申請に添付する場合の修了証の有効期限は5年間です。
修了証を取得してから5年以内に許可申請手続きを行いましょう。

経理的基礎を有していること

経理的基礎とは、事業を継続的に行うための財政基盤のことです。

この判断基準は大まかに言うと、利益が計上できていること、債務超過の状態ではないことが基準になっています。
法人の場合はそのような書類は出することで経理的基礎条件の証明をします。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本変動計算書
  • 個別注記表
  • 納税証明書

上記の直近3年分の資料を提出しなければなりません。
場合によってはさらに追加の資料、例えば、収支計画書や、公認会計士や中小企業診断士などが作成した「経理的基礎を有することの説明書」等を求められることもあります。

個人の場合には、次の資料が必要です。

  • 資産に関する調書
  • 直近3年の所得税の納税証明書

適切な事業計画を整えていること

事業を的確にかつ継続して行うための事業計画を整えておかなければなりません。
その事業計画に従って、その内容が実践できるように、施設や人員などの体制を整えることが必要となります。
具体的には次のようなものです。

  • 廃棄物の排出業者から収集運搬の委託を受けることが確実で、産業廃棄物の種類、性状を把握できる
  • 取り扱おうとする産業廃棄物に応じて、必要な車両や運搬容器等の施設を有している
  • 廃棄物の搬入先が産業廃棄物を適正に処理可能である
  • 業務量に応じた車両等の施設を有している
  • 業務を行う上で適切な体制が確保されている

欠格要件

申請者が次に示すような欠格要件のいずれかに該当する場合は、許可を受けることはできません。
また、許可を受けた者が欠格要件に該当することになった場合は、許可は取り消されます。
なお欠格要件に該当することとなった場合は、都道府県知事に対して速やかに届け出なければなりません。

  1. 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの
  3. 法を犯し罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの
  4. この規定による許可の取り消し処分を受けた者において、その決定までの間に事業の廃止の届出をしたもので、その届け出の日から5年を経過しないもの
  5. 業務に関し、不正又は不誠実な行為をする恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある
  6. 暴力団員である、また暴力団でなくなった日から5年を経過しないもの
  7. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が上記1から6までのいずれかに該当するもの
  8. 法人の場合で、役員または政令で定める使用人のうち上記1から6までのいずれかに該当するもの
  9. 個人事業の場合で、政令で定める使用人のうちに上記1から6までのいずれかに該当するもののあるもの
  10. 暴力団員等がその事業活動を支配するもの

この中でどこに注意するのは、5業務に関し、不正又は不誠実な行為をする恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある、の項目です。
解釈次第とも言えますし、包括的な規定であるため注意が必要です。

また、本人以外の役員や使用人などの過去の行いについて、完全に正確に把握することは難しい場合もあります。
後になって欠格要件に該当するということが判明すると面倒なことになりますので、しっかり調査をすることが必要です。

 

以上、産業廃棄物収集運搬業の許可申請を受けるために必要な条件でした。
ご質問等あれば、お問い合わせフォームからよろしくお願いします。