この記事では、産業廃棄物を取り扱う場合にも、産業廃棄物処理業の許可を必要としない場合について、その概要を紹介します。
廃棄物処理法だけでなく、様々な法律により規定されているため注意が必要です。
また、産業廃棄物処理業の許可は必要なくとも他の法律により、別の許可が必要な場合がありますので、併せて注意が必要です。
廃棄物処理法による規定
廃棄物処理法によって規定されている産業廃棄物処理業の許可を必要としない場合は次のとおりです。
- 排出事業者自らが運搬又は処分する場合
- 専ら再生利用の目的となる産業廃棄物の収集・運搬又は処分を業として行う場合
- 海洋汚染防止法の規定により、国土交通大臣の許可を受けて廃油処理事業を行うもの又は届け出て廃油処理事業を行う港湾管理者もしくは漁港管理者
- 再生利用されることが確実であると、都道府県知事が認めた産業廃棄物のみの収集・運搬又は処分を業として行うもので、都道府県知事の指定を受けたもの
- 広域的な収集・運搬又は処分することが適当である者として、環境大臣が指定した産業廃棄物を適正に収集・運搬又は処分することが確実であるとして、環境大臣の指定を受けた者、ただし営利を目的としないで業として行う場合に限る
- 国、ただし、産業廃棄物の収集・運搬又は処分をその業務として行う場合に限る
- 広域臨海環境整備センター法に基づいて設立された広域臨海環境整備センター
- 日本下水道事業団
- 産業廃棄物の輸入に係わる運搬を行うもの、ただし、相手国から日本までの運搬を自ら行う場合に限る
- 産業廃棄物の輸出に係わる運搬を行うも、ただし、日本から相手国までの運搬を自ら行う場合に限る
- 動物系固形不要物のみの収集・運搬を行うもの、ただし食料品製造業において原料として使用した牛の背柱に限る
- 屠畜場において屠殺し、または解体した獣畜及び食鳥処理場において処理をした食鳥に係わる個形状の不要物のみの収集・運搬を業として行うもの
- 動物動物の死体のみの収集・運搬又は処分を行うもの、ただし、死体は牛に限り、処分は化製場に限る
- 環境廃棄物の再生利用に係わる特例として環境大臣の認定を受けたもの
- 産業廃棄物の広域的処理に関わる特例として、環境大臣の認定を受けたもの
- 産業廃棄物の無害化処理に係わる特例として、環境大事の認定を受けたもの
- 二つ以上の事業者による産業廃棄物の処理に係る特例として、都道府県知事の認定を受けたもの
家電リサイクル法による規定
家電リサイクル法に基づく特例において、産業廃棄物処理業の許可を必要としない場合は次のとおりです。
- 家電四品目の収集・運搬を業として行う小売業者又は指定法人等
- 家電四品目の再商品化等に必要な行為を業として行う製造業者又は指定法人等
※家電四品目とは、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機のことです
小型家電リサイクル法による規定
小型家電リサイクル法に基づく特例において、産業廃棄物処理業の許可をしようとしない場合は次のとおりです。
- 環境大臣の認定を受けた業者
- 環境大臣の認定を受けた事業者から委託を受けて、使用済み小型電子機器等の再資源化に必要な行為を行うもの
自動車リサイクル法による規定
自動車リサイクル法に基づく特例において、産業廃棄物処理業の許可をしようとしない場合は次のとおり。
- 使用済自動車の収集運搬を業として行う取引業者又はフロン類回収業者
- 使用済自動車、または解体自動車の再資源化に必要な行為を業として行う解体業者
- 解体自動車の再資源化に必要な行為を業として行う破砕業者
- 特定再資源化物品(自動車破砕残さ等)の再資源化に必要な行為を業として行う自動車製造業者等
- 解体自動車、又は特定再資源化物品の再資源化に必要な行為を業として行う指定再資源化機関等
廃棄物処理法の規制は受けなくとも、他に例えば大臣の認定を受けなければならない等の規制がある場合がありますので、注意が必要です。
以上、産業廃棄物処理業の許可が必要でない場合の紹介でした。
ご質問等ございましたら、問い合わせフォームからお願いいたします。