この記事では、古物商がヤフオクで古物を仕入れる場合、どのようにして相手方の本人確認を行えばよいかについて解説します。
ヤフオクは日本最大のネットオークションサイトであり数多くの古物商も利用しているようです。
インターネットを利用した取引における懸念点は相手方の本人確認ができるかどうかです。
ヤフオクにおいては基本的に「かんたん決済」という便利な方法により支払いが行われることになっており、そのことにより、法律で規定されている11通りの非対面取引における本人確認の方法の全てを適用させることはできません。
どの方法が、ヤフオク仕入れで利用できるか考えてみましょう。
まずは、基本として、取引相手の氏名、住所、年齢、職業を問い合わせて、その返答をもらえることが取引をする前提となります。
インターネット取引においては、あある程度の匿名性を期待するされるため、これらの個人情報を明かさない人も多い可能性があります。
その場合は、取引を諦めるしかありません。
それでは、ひとつづつ本人確認の方法を見ていきましょう。
1.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、印鑑登録証明書及びその実印を押印した書面の押印を受けること
この方法はヤフオク仕入れで利用可能な方法です。
実印を押印する書類はどんなものでも構いませんが、氏名、住所、年齢、職業を記載して押印してもらっておけば完璧でしょう。
しかしながら、応じてもらえるかどうかは疑問です。
2.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、相手方に本人限定受取郵便等を送付し、到達を確認すること
この方法はヤフオク仕入れで利用可能な方法です。
送付するものは何でもいいですが、商品を送ってもらうときのこちら方の住所を記載した送付状とか、取引相手と相談しましょう。
3.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、本人限定受け取り郵便により代金を支払うことを約束すること
この方法はヤフオク仕入れでほぼ利用不可能な方法です。
ヤフオクでは、基本的に「かんたん決済」で、代金を支払います。本人限定受け取り郵便により代金を支払う、つまり、現金書留を利用することはできません。
4.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、住民票の写し等の送付を受けるか、又は身分証明書等に組み込まれた半導体集積回路に記録された本人情報もしくは本人確認用画像情報の送信を受け、相手方に配達記録郵便等で転送市内取り扱いをされるものを送付し、その到達を確認すること
この方法はヤフオク仕入れで利用可能な方法です。
住民票等とは、住民票の写し、住民票の記載事項証明書、戸籍謄本または抄本、印鑑証明書のことです。
身分証明書とは、住所、氏名、年齢又は生年月日が記録されたICチップ等が組み込まれたもので、その情報をカードリーダー島で読み取り送付してもらうことになります。
また、本人確認画像とは、古物商が提供するソフトウェハを利用し、撮影された身分証明書等の画像情報のことです。
上記のうちいずれか一つを送付してもらう必要があります。
とはいえ、相手方が応じてくれるかどうか難しいです。
5.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、身分証明書等若しくは住民票の写し等の内、いずれか二つの書類の写しの送付を受け、又は身分証明書等もしくは住民票の写し等の写し及び相手方の住所が記載された書類(補完書類)もしくはその写しの送付を受け、並びに相手方の住所宛に配達記録郵便等で転送しない取り扱いをされるものを送付し、その到達を確認すること
この方法はヤフオク仕入れで利用可能な方法です。
補完書類とは、税金の領収書又は納税証明書、社会保険料の領収証書、公共料金の領収証書です。
身分証明等、住民票の写し等、保管資料の3種類の中から2つの書類を送付してもらう必要があります。
相手が応じてくれれば可能ですが、応じてくれるでしょうか。
6.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、住民票の写し等の送付を受け、そこに記載された氏名を名義人とする預貯金口座への振り込みにより代金を支払うことを約束すること
この方法はヤフオク仕入れで利用不可能な方法です。
かんたん決済では銀行振り込みで支払うことはできません。
7.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、身分証明書等の写しの送付を受け、その住所宛に配達記録郵便等で転送しない扱いをされるものを送付し、その到達を確かめ、記載された氏名を名義人とする預貯金口座への振り込みにより代金を支払うことを約束すること
この方法はヤフオク仕入れで利用不可能な方法です。
かんたん決済では銀行振り込みで支払うことはできません。
8.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、古物商が提供するソフトウェハを使用し、本人確認用画像情報の送信を受けること
この方法はヤフオク仕入れで利用不可能な方法です。
しかし、決済の前に古物商自身のサイトに誘導して画像データを送信してもらえれば可能かもしれません。
9.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、古物商が提供するソフトウェハを使用し、本人の容貌の画像の送信を受け、写真付き身分証明書等に記録されたICチップ等の情報の送信を受けること
この方法はヤフオク仕入れで利用不可能な方法です。
独自サイトで画像送信できたとしても、相手方にカードリーダー等で情報を読み取り送ってもらわないといけないのでハードルは高いです。
10.相手方から、電子署名が行われた住所、氏名、職業、年齢の記録の提供を受けること
この方法はヤフオク仕入れで利用不可能な方法です。
11.2回目以降の取引で、1回目の取引において本人確認済であり、ID、パスワード等により確認すること
これは2回目以降の取引における話なので、1回目の本人確認がなされていることが前提です。
以上見てきたように、ヤフオク仕入れで本人確認を行う方法はあるにはありますが、現実には難しいと言わざるを得ません。
それでもヤフオクを仕入れに使いたい場合は、本人確認が免除される1万円未満の取引のみを行うことにすればいいでしょう。
ただし、その場合でも、18歳未満との取引は条例で制限されていますので、年齢確認だけは必要です。
定められたルール通り本人確認を行うことが結果的にあなたのビジネスにとって利益につながるのではないでしょうか。