この記事では、軽自動車運送業を個人事業主として開業する場合に必要な資金を解説します。
軽自動車による運送業は正式には、「貨物軽自動車運送事業」といい、軽自動車又はバイクを利用して、依頼を受けて有償で貨物を運送する事業です。
普通自動車以上の大きさのトラック等による運送業は一般貨物自動車運送業といい、この一般貨物自動車運送業を営むためには許可を受ける必要があり、そのための要件も厳しく、事業用の自動車は原則として5台以上必要であり、事業計画に基づいた資金チェックも厳しく受けることになり、許可を受けるまで3~4か月以上かかります。
それに比べて軽自動車のによる運送業は、「届出」という手続きで事業が開始できます。
事業を始めるために必要な自動車の数も最低1台から行うことができ、資金のチェックを受けることもありません。
一般貨物自動車運送事業と比較すると手軽に始めることができると言えます。
このように、個人事業として軽自動車運送業を始めることは、それほど敷居が高いことではありませんが、事業を始めるためには、入念な準備、計画が必要です。
まずは開業資金、運転資金を見積もってみましょう。
軽自動車運送業を個人で開業するために必要なものは、営業所、休憩所、軽自動車、車庫です。
個人事業として始めるなら、自宅が営業所となり、休憩所になるでしょう。
また、もともと所有していた軽自動車1台で運送業を始めるのなら、まとまった金額は必要ありません。
その軽自動車が軽貨物4ナンバーであればなおさらです。カーナビは必須ですが、スマホで対応できるので、車に設置されていなくても新設の必要はないかもしれません。
また、車庫に関しても今まで使用したところがそのまま使用できれば追加の費用は必要ありません。
運転資金については、日々の走行距離にもよりますが、ガソリン代が全体の半分かそれ以上を占めることになるのではないでしょうか。
後は自動車の車検代等を含んだメンテナンス費用と連絡用の携帯電話料金とそれ以外は少額の雑費くらいでしょう。
例えば会社を辞めて運送業を始めるような場合においては、収入が安定するまでの生活費と運転資金を最低6か月程度は用意しておくと安心できます。
養わなければならない家族の人数にもよりますが、200万円程度あれば、とりあえずは家族の生活にも不安はありませんし、あなたも仕事に集中できるでしょう。
1人暮らしの場合は、特に最初から収入のめどが立っていれば、とりあえず2~3か月分の生活費さえ確保していれば開業に問題はないでしょう。
後はあなた次第です。たよりになるのは自分自身だけです。会社員とは異なり、やればやった分だけ帰ってきます。
開業した当初は、少しくらいの無理をすることはあるかもしれませんが、健康にだけは十分留意したうえで取り組んでください。
あなたの努力とやる気次第で、十分稼いでいける世界だと思います。