【宅建業】宅地建物取引業免許申請における営業保証金について

この記事では、宅地建物取引業免許申請における宅地建物取引業を営むために必要な営業保証金について紹介します。

宅地建物取引業を営むために必要なものとして営業保証金というものがあり、
営業を開始するためには、以下のいずれかの手続きを取らなければいけません。

  1. 営業保証金を供託する
  2. 保証協会に加入する

それぞれの内容を見ていきましょう。

営業保証金を供託する

宅地建物取引業を営むためには、次の金額の営業保証金が必要です。

  • 主たる事務所1000万円
  • 従たる事務所500万円

従たる事務所が複数ある場合には、各事務所に付き、それぞれ500万円必要です。

供託には現金の他に、国債、その他法令で定められた有価証券を用いることができます。

なお、国債以外の有価証券を供託する場合、額面金額に一定の割合を乗じて得られた額を供託するものとして取り扱われます。

供託所としては、主たる事務所(本店)の所在地を管轄する供託所です。
広島県内で供託を取り扱っている法務局は、次の通りです。

  • 広島法務局
  • 廿日市支局
  • 東広島支局
  • 呉市局
  • 尾道市局
  • 福山支局
  • 三次支局

なお、現金を取り扱っているのは広島法務局だけですが、オンラインによる申請ができるようになっています。

保証協会に加入する

保証協会に加入することで、高額な営業保証金を供託する必要はなく、次の弁済業務保証金分担金を納めれば良いことになっています。

  • 主たる事務所60万円
  • 従たる事務所30万円

この場合も従たる事務所が複数ある場合は、それぞれにつき30万円必要です。

また、保証協会への加入に際しては、弁済業務保証金分担金の他に協会への入会金等、年会費諸費用が必要です。
保証協会は次のいずれかの一つです。

  • 全国宅地建物取引業保証協会 広島県本部
  • 不動産保証協会 広島県本部

入会金や年会費もそれなりの金額です。上の金額の2倍以上かかることもあります。

免許証の受領

上記保証金等の手続きをした後、次の書類を申請書を提出した窓口へ提出しなければなりません。

・営業保証金を供託した場合

営業保証金供託済み届出書、供託書の写し

・保証協会に加入した場合

社員完了報告及び弁済業務保証金供託届出書

これらの書類を提出することで、免許証を受領することができます。

供託における注意点

営業保証金を供託している場合

次の場合には、2週間以内に必要な額を供託しなければいけません。

  • 供託している保証金が必要な金額を満たさなくなった場合
  • 営業保証金として供託している有価証券が、時効により償還を受ける権利を失った場合

供託している有価証券は、現金や別の有価証券と差し替えることが可能です。

保証協会に加入している場合

保証協会を退会し、資格を失った場合は、1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。

営業保証金の取戻しについて

廃業等により、宅地建物取引業者ではなくなった場合、営業保証金等を取り戻すことができます。
また、複数ある事務所のうち一部の事務所を廃止したときにも、規定を超える金額について取り戻すことができます。

営業保証金の場合

取戻しの手続きは次のとおりです。

  1. 官報に公告を行う
  2. 公告した旨を県へ届出
  3. 公告に定めた期間待機
  4. 債権総額証明書の交付請求
  5. 供託書にて取戻し手続き
保証協会に加入していた場合

加入している保証協会で、退会手続き又は一部廃止の場合は変更手続きを行うことで、保証協会が保証金の返還業務を行います。