【NPO法人】NPO設立申請における必要な添付書類について2

この記事では、NPO設立申請における必要な添付書類のうちの設立される法人に関する3種類の書類についてその詳細を紹介します。

NPO設立申請時に提出しなければならない書類は次の11種類です。

  1. 設立認証申請書
  2. 定款 2部
  3. 役員名簿 2部
  4. 役員の誓約書及び就任承諾に関する書面の謄本
  5. 役員の住所又は居所を証する書面
  6. 社員のうち10人以上の者の名簿
  7. 確認書
  8. 設立趣旨書 2部
  9. 設立についての意思の決定を証する議事録の謄本
  10. 事業計画書(設立当初の事業年度及び翌事業年度)2部
  11. 活動予算書(設立当初の事業年度及び翌事業年度)2部

(2部と書かれているのは2部提出が求められているものです)

この記事では、7~9の書類について紹介します。

確認書

確認書とは、NPO法人が宗教活動、政治活動、選挙活動を目的とした団体ではないこと及び暴力団に関係した団体でないことを約束させるための書類です。

これに違反した場合は、認証は取り消しになる可能性が高いです。

これらの規定は特定非営利活動促進法第2条第2項第2号及び第12条第1項第3号に規定されています。
確認書には決まった様式があるわけではありません。

次のように記載すればOKです。

当団体は特定非営利活動促進法第2条第2項第2号及び同法第12条第1項第3号に該当することを〇年〇月〇日に開催した✕✕✕において確認した。

上記に加え、日付、団体名、代表者の記名、押印をしてください。
押印は代表者の個人印で認印で構いません。

上記✕✕✕は、設立総会、または発起人会等が入ります。

また、用紙の大きさはA4としてください。

参考のため、特定非営利活動促進法の該当条文を記しておきますので、参考にしてください。

第2条第2項第2号

その行う行為が次のいずれにも該当する団体であること

イ宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。

ロ政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。

ハ特定の公職の候補者、若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。

第12条第1項第3号

当該申請に係る特定非営利活動法人が次に掲げる団体に該当しないものであること。

イ暴力団

ロ暴力団又はその構成員、若しくは暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者の統制の下にある団体

設立趣旨書

設立趣旨書は、法人を設立するに当たり、その設立にいたる社会情勢、問題点に対する解決手法、法人の行う事業の意義、法人格が必要となった理由など簡潔にまとめたものです。

決まった様式はありませんので、A4用紙1枚程度にまとめましょう。
記載する内容は次の2点です。

  1. 趣旨
  2. 設立に至るまでの経過

それでは順番に内容を紹介します。

1趣旨

記載する内容は次のようなものです。

  • 定款に定められている目的や事業に係る社会経済情勢やその問題点
  • 法人の行う事業が不特定多数の者の利益に寄与する理由
  • 法人格が必要となった理由

記載例としては次のような順番で書けば良いのではないかと思います。

  1. 法人の目的、事業に関する社会情勢
  2. その社会情勢の問題点や解決すべき事項
  3. 2の問題点を解決するために、行おうと考えている事業と、その事業が不特定多数の者の利益に寄与する理由
  4. 法人格が必要となった理由
2設立に至るまでの経過

ここにはNPO法人を設立申請をする前に、任意団体等で活動実績がある場合は、それまでの間に取り組んできた、具体的な活動内容などを記載します。

経過の最後に設立総会開催の旨を記載します。

例として挙げると次のようなものになります。

  • 〇年〇月〇日 任意団体✕✕の会として活動開始
  • 〇年〇月〇日 交流サロンを常設(常時活動可能となる)
  • 〇年〇月〇日 特定非営利活動法人✕✕の設立総会を開催

設立についての意思の決定を証する議事録の謄本

設立についての意思の決定を証する議事録の謄本とは、設立総会の議事録の写しのことです。

謄本ですから、これが原本と相違ないことを証する形式にしなければいけません。

具体的には書類の一番最後に、この写しは議事録の原本と相違ないことを証明する、と記載し、日付、代表者の署名、押印をすることで、証明します。

では、続いて議事録の内容について見ていきましょう。

タイトルとして「設立総会議事録」と記載し、以下の項目を順番に記載していきます。

  1. 開催日時
  2. 開催場所
  3. 出席設立者数
  4. 審議事項
  5. 審議の経過の概要及び議決を結果

最後に、

「以上、この議事録が正確であることを証するため、議事録署名人は次に署名、押印する。」
と記載し、議長と議事録署名人が署名、押印します。
なお議事録署名人は4審議事項の中で決めます。

4審議事項の内容は次の通りです。

    1. 議長選任の件
    2. 議事録署名に選任に関する件
    3. 特定非営利活動法人設立の件
    4. 定款に関する件
    5. 設立当初の財産に関する件
    6. 入会金及び会費に関する件
    7. 事業年度に関する件
    8. 事業計画及び活動予算に関する件
    9. 役員及び役員報酬に関する件
    10. 設立代表者選任に関する件
    11. 主たる事務所の所在地に関する件

そして、5で議事の経過の概要と議決の結果を記載します。

設立総会に関して、別の記事で紹介していますので、そちらもご確認ください。
議事録の記載例もあげています。