この記事では、2020年4月1日に施行された古物営業法の改正について解説します。
法律の改正は、想像以上に頻繁に行われています。
毎回国会で100近くの法案が採決されていると報道で聞いたことがありますが、これらのほとんどは既存の法律の改正です。
今回紹介する古物営業法の改正は2018年になされたものですが、その一部が2020年4月1日されました。
その内容を確認ていきましょう。
古物商の許可単位が都道府県単位から全国単位に
改正前の古物商の許可単位は、都道府県単位でした。
一つの都道府県で許可を受けていたとしても異なる都道府県で古物商を営むには、該当する都道府県でさらに許可を受けなければなりませんでした。
全国47都道府県で営業しようとすると、前47都道府県で許可を受けなければならず、許可手数料が1件19,000円×47=893,000円必要でした。
2020年4月1日から、古物商の許可単位は全国単位となり、一つの都道府県で許可を受けると全国で古物営業ができるようになりました。
これに先立って、従前の許可を受けて営業していた古物商は、2020年3月31日までに主たる営業所を届け出るという手続きを取らなければなりませんでした。
一つの許可で全国展開できますが、本拠地を定めてください、ということです。
この手続きを取らないと古物商として営業ができないので、すでに許可を受けていた古物商の方々は、手続きを行ったものと思います。
これから新たに古物商を始めようとする方は、個人で、インターネットのみの取引で、実質営業所は必要ない、という方でも、主たる営業所として、営業所を最低1か所を決めなければならないので注意してください。
営業所が必要な要件を満たさないと許可を受けることができません。
古物商の営業所とは
古物商の営業所とは古物の取引を行う場所のことです。
古物商の営業所のもう一つの側面は、古物商の台帳を保管し、業務責任者である管理者がいる場所です。
それでは、古物商の営業所に必要な要件とはどんなものでしょうか。
結論から言うと、営業所は不動産であれば特別な要件は必要ありません。どこでも営業所にできます。
ただし、使用権限が必要です。
使用権限というのは、その不動産を営業所として使うことのできる権限です。
持ち家、賃貸、戸建て、マンションに関係なく、どれでも営業所にできます。
ただし、賃貸の場合は、契約書の目的に「居住のみ」等の記載があれば、営業所として使用できません。
物件の貸主に使用承諾書をもらう必要があります。
また持ち家の場合でも、集合住宅、マンションの場合は、規約で営業に使用することを禁じてることが多いので、管理組合から承諾を取ることが必要です。
個人で古物商の許可を取ろうと考えている方には営業所がハードルになる場合がありそうです。