【農地関連】農地関連手続きの概要について

この記事では、農地の利用や権利に係る諸様々な手続きについて、その概要を紹介します。

農地の利用や権利に係る手続きとはどういうときに必要になるのでしょうか。
次のような場合が考えられます。

  1. 農地を農地として、所有権を移転する、賃貸借、使用貸借を行う。
  2. 農地の所有者がその農地を農地以外のものに利用する。
  3. 農地を農地以外のものにする目的で売買または賃貸借等を行う。

一般的にこれらは、農地転用という言葉で語られることが多いようですが、実際には農地が農地以外のものになるという意味で、下の二つが農地転用にあてります。

上に示した一つ目は農地である状態は変わらないので、農地転用とは言いませんが、ややこしいので、これを含めてこのブログでは農地転用と表現することにします。

一般的に農地法の条文をもとに、上から、三条許可、4条許可、五条許可などと呼ばれることが多いようです。

上記3種類を行うためには、その農地のある自治体の農業委員会の許可もしくは農業委員会へ届出が必要です。
許可が必要であるか、それとも届出で良いのかは次のような場合によります。

  • 都市計画法により定められた市街化区域内であるか、それとも区域外であるか。
  • 農地転用において、農業用施設であるかどうか。
  • 農地の保全、若しくは利用の増進のためであるかどうか。

また、申請先である農業委員会は、各市町村に設置されており、それぞれでローカルルールが異なる場合がありますので、注意が必要です。

例えば、広島市の場合、許可申請の受付締め切り日は、毎月15日です。
その後、翌月上旬に開催される定例農業委員会総会で、審議された後、許可証が交付されます。
許可証の交付は原則として窓口で手渡しとなります。

また、三原市の場合、許可申請の受付締め切り日は毎月10日です。
農業委員会総会は毎月25日に開催され、その場で申請が審議され、許可、不許可について決定がなされます。

元々、これらの規制はは、耕作者の地位の安定と農業生産の増大、それによる食料の安定供給の確保を目的としています。
したがって農地を自由に他人に譲ったり、別の用途に使用したりすることは、基本的にできません。

しかしながら、農業従事者の高齢化が進み、後継者がいない場合や農業に従事することができない人が相続により農地を手に入れた場合など、農地を手放さざるを得ない、もしくは転用せざるを得ないということは、今後ますます増えてくるでしょう。

規制をよく理解していなかったり、悪質な場合は農地が税制面で優遇されているので、故意に許可を得ないで他の用途に使用するというようなこともあるかもしれません。

しかし、それが発覚すれば重い罰則を科せられることもあります。

許可申請には、申請書の他に添付書類が十数種類に及ぶこともあり、時間もかかり大変な作業かもしれません。
まずは地元の農業委員会へ相談に行くか、申請手続きの専門家に相談するところから始めてはいかがでしょうか。