【農地関連】農地売買、貸借(3条許可)で規定されている下限面積(別段面積)について

この記事では、農地の売買や賃借する場合の規定の一つである下限面積(別段面積という場合もある)について、その詳細を紹介します。

耕作を目的として農地の権利を得る場合には、農地委員会の許可が必要です。
この許可の要件の一つに下限面積要件があります。
これは、農地がある面積以上でないと許可が認められないというものです。

以下に詳しく説明します。

■下限面積要件の原則

農地の権利移動を規定した農地法3条における農地面積の下限基準は以下のとおりです。

全経営面積が、都府県の場合50アール以上、北海道の場合2ヘクタール以上 となることが必要
※全経営面積=すでに所有している農地面積+新規に取得す®農地の面積

許可申請する農地だけではなく、所有するすべての農地の合計面積が規制の対象となります。

ただし、権利取得後における工作の事業が草花等の栽培でその経営が集約的に行われると認められる場合は、この要件は適用されません。

■下限面積要件の特例

農地法では、地域の実情に応じて、下限面積を緩和することを許しています。
それにより各自治体の農業委員会の判断で下限を修正することが可能となり、農地法には、これが別段の面積と書かれており、別段面積といわれることもあります。

別段面積を定める基準には次の2つの考え方があります。

  • 農業の平均規模が小さい地域
  • 農業の担い手が不足している地域

平均規模が小さい地域では、10アール以上の面積で設定が可能で、担い手が不足している地域では任意の面積、つまり、10アール未満でも設定が可能となっています。

全国における別段面積の設定状況は以下のとおりです。(平成28年4月現在)

農業委員会数割合
別段面積を設定1,09463%
法定面積どおり64337%
合計1,737100%

6割以上の自治体で別段面積が設定されています。

また、都府県における面積別の設定状況は以下のとおりです。

農業委員会数割合
~10アール23917%
~20アール31623%
~30アール58142%
~40アール25718%

~30アールが42%ともっとも多いですが、各自治体が実情に合わせて面積を設定していることがよくわかると思います。

また複数の面積を設定している自治体があるため、数には重複があり、上の別段面積の設定状況の数とは合いません。

■各自治体の下限面積の実例(広島県の場合)

各自治体の実例を見てみましょう。

尾道市の場合(平成29年8月1日から適用)

対象地域下限面積
瀬戸田市30アール
御調町、因島重井町20アール
上記以外の地域10アール

 

三原市の場合

対象地域下限面積
沼田東町50アール(法廷面積どおり)
小泉町40アール
高坂町、小坂町、長谷、沼田、新倉、沼田西町30アール
西野・大畑町20アール
上記以外の地域10アール

 

竹原市の場合

対象地域下限面積
東野村・西野町・新庄町・仁賀町・田万里腸・小梨町20アール
竹原町・下野長・忠海町・高崎町・福田町・吉名町10アール

 

東広島市の場合(施行日:平成29年2月1日)

対象地域下限面積
市内全域30アール

 

呉市の場合(平成21年12月15日変更)

対象地域下限面積
旧呉市、旧大屋村、下蒲刈町、川尻町、音戸町、蒲刈町10アール
旧昭和町、旧郷原町、倉橋町、豊町の旧御手洗町20アール
安浦町、豊浜町、豊町の旧御手洗町を除く区域30アール

 

福山市の場合

対象地域下限面積
福山市内全域10アール

 

広島市の場合(平成28年6月16日から施行)

対象地域下限面積
中区、南区、東区旧広島市、

安芸区旧船越町・旧矢野町・旧中野村

10アール
東区旧安芸町、西区、安佐南区、安佐北区、佐伯区、

安芸区旧畑賀村・旧瀬野町・旧熊野跡村

20→10アール

 

各自治体で複数の下限面積を設定しているのがほとんどです。
また、市町村の合併などにより町名が変わっているところは要注意です。
念のため申請書を提出する前に農業委員会に確認を取った方がいいでしょう。