【建設業】建設業許可における経営業務の管理責任者について

この記事では、建設業の許可における経営業務の管理責任者について、その概要を紹介します。

経営業務の管理責任者の要件は、一般建設業と特定建設業で内容は同じです。

経営業務の管理責任者になれるものは、法人の場合その役員のうち常勤であるもの個人の場合その本人または支配人と規定されています。

それでは、法人の場合の役員とはどのようなものを指すのでしょうか。
以下のような4種類の役員が定義されています

  • 実務を執行する社員:持分会社の業務を執行する社員
  • 取締役:株式会社の取締役
  • 執行役:指名委員会当設置会社の執行役
  • これらに準ずるもの:法人格のある各種組合等の理事等。

執行役員、監査役、会計参与、理事及び事務局長等は原則として含まないことになっています。

ただし、許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て、取締役会または代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等については、これらに準ずるものに含まれる、というややこしいことになっています。

次に、経営業務の管理責任者は常勤でなければならないとされていますが、この「常勤」とはどういうものでしょうか。

建設業許可の目的の一つは、発注者の保護ですから、その手段として適正な経営が求められます。
そのため、日常業務の具体的な執行権限を有している役員の常勤性が求められています。
「常勤」とは原則として、休日その他勤務の必要のない日を除いて、一定の計画の元に毎日決まった時間に、その職務に従事している状態のことを言います。

具体的な例を挙げると常勤であると認められれば、出向社員であってるしても経営業務の管理責任者になることを認められる可能性があります。

続いて、個人事業の場合、支配人についてですが、以下のように定義されています。

営業主に代わって、その営業に関する一切の裁判上、または裁判外の行為をなす権限を有するもの。

支配人に該当するかどうかは、商業登記の有無を基準として判断されます。
建設業の許可を得るためには、経営業務の管理責任者としての経験が必要です。
必要な経験は以下のようなものです。

  • 許可を開けようとする建設業に関し、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
  • 国土交通大臣が上記にあげるものと同等以上の能力を有する者と認定した者

上記の5年という期間ですか、許可を受けようとする建設業に関する執行役員等としての経営管理経験の期間と、許可を受けようとする建設業における経営業務の管理責任者としての経験の期間が通算で5年以上である場合も条件を満たしているとされています。

また、経営業務を総合的に管理した経験を有していないとしても、経営業務を補佐した経験があれば営業の管理者責任者として認められる場合があります。

ここで補佐した経験とは何かということですが、以下のように言われています

補佐した経験とは、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって、許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達や技術者及び技能者の配置、下請け業者との契約の締結等の経営業務全般について従事した経験をいいます。

補佐経験の期間は6年以上必要とされています。

加えて、企業の管理責任者としての経験や執行役員ととしての経営管理経験が5年に満たない場合でも、補佐経験の期間との通算期間が6年以上であれば、条件を満たすとされています。

経営業務の管理責任者については、定義が必ずしも明確にされていないため、内容がわかりづらく、申請を難しくしています。

別の記事でまた詳しく解説したいと思います。